関東平野にちょこんとそびえる筑波山の東側の麓に、M邸はある。”ギャゼボ”とは、英語で東屋あるいは見晴らし台という意味。しかし、このログハウスにあるポスト＆ビームでつくられたそれは、単なる東屋ではなく、湯船につかりながら、筑波の山並みを225度の大パノラマで望める展望風呂なのである。このログハウスの最大の見どころは、このギャゼボ展望風呂、そして、それをハンドカットの母屋に連結してしまうというアイデアと、それを実現した施工技術にある。「この立地条件を生かして、リビングからの眺めと風呂からの眺めを、ともに最高のものにしたかったんです」とは施主のMさんだ。外観上の特筆ポイントは、その屋根構造だ。テラス側をアウトリガーにして変化をつけることで屋根勾配をすっきりとシャープに見せ、さらに屋根の両側に大型のゲーブル・ドーマーを付けたりと、屋根構造はデザイン的に非常に凝ったつくりとなっている。また、妻側の軒も深く、ログウォールの雨仕舞への配慮も感じられる。